ゼルダの伝説 時のオカリナで、結局どういう話が起きていたのかを説明します。
結末まで含めたネタバレ全開で書いています。これから遊ぶ予定の方はご注意ください。
1. 女神が去り、願いを叶える力だけが残された
まだ何も無かったころの世界に、三人の女神が降りてきました。

わたしは力の女神ディン。
燃える腕を振るって、この何も無い場所に大地をこしらえた。

わたしは知恵の女神ネール。
その大地に掟を授けて、世界に秩序をこしらえた。

わたしは勇気の女神フロル。
掟を守っていく者たち、つまり命をこしらえた。

役目を終えたわたしたちは、天へ帰る。
だが、この地には力の証を残していくぞ。金色に輝く、三つの三角形だ。
触れた者の願いは、善であれ悪であれ、そのまま叶う。
三人の女神とは、力のディン、知恵のネール、勇気のフロル。それぞれが大地と掟と命を作り、去り際に残していったのがトライフォースです。
トライフォースは、女神たちが持っていた力・知恵・勇気がそれぞれ形になった、三つの三角形が組み合わさったものです。触れた者の願いをそのまま叶えてしまうので、誰の手に渡るかで世界の行方が決まってしまいます。そこでハイラル王家は、これを「聖地」と呼ばれる場所に隠し、入り口を封じました。
三人の女神が世界を作り終えて天へ帰るとき、力の証として残していった黄金の三角形。触れた者の願いをそのまま叶えるため、善人が触れれば善い世が、悪人が触れれば悪い世が訪れるとされています。この記事では「願いを叶える力」と呼びます。
トライフォースが置かれている場所。ハイラル王家が入り口を封じており、決まった鍵をそろえないと開けられません。この記事では「扉の奥」と呼びます。
これは例えば、「持ち主の望みを審査なしで実行してしまう装置」が、世界に一つだけ置き去りにされたようなものです。善人が使えば良い世の中になり、悪人が使えば悪い世の中になる。使う人を選べない以上、金庫にしまって鍵をかけるしかありませんでした。

それ、悪いやつが先に触ったら終わりじゃない?

だからこそ、人の手で守らねばならぬ。
……守り抜けるかどうかは、お前たち次第だがな。
物語が始まる前から、この国は「絶対に開けてはいけない金庫」を抱えていたことになります。このあと起きることは、ほぼ全部この金庫をめぐる話です。
2. その力を狙い、鍵になる石を先におさえる
では、その封じられた力を最初に取りに行ったのは誰か、という話です。

この国には、願いを何でも叶える力が隠されてるらしいんだよな。
だが、それがある場所の入り口には鍵がかかってる。
だから先に、鍵になる三つの石を全部おさえるぞ。

もちろん、正面から「くれ」と言って渡すやつはいない。
なら、渡す気になるまで痛い目を見てもらうだけだ。
この国とはハイラル。ガノンドロフが狙っているのは、前の節で王家が封じたトライフォースです。聖地の入り口を開けるには、三つの精霊石と、王家に伝わる笛の両方が要ります。
聖地の扉を開く鍵になる三つの石。コキリのヒスイ、ゴロンのルビー、ゾーラのサファイアの三つで、それぞれ森・山・水辺の部族が代々守っています。この記事では「鍵になる三つの石」と呼びます。
これは例えば、「金庫の中身を狙う前に、まず鍵を三本まとめて回収しておく」ようなものです。現代で言えば、家に押し入る前に合鍵を全部そろえておく、という段取りにあたります。

渡さん。お前に渡したら森が終わる

じゃあ、渡す気になるまで枯れてもらうか
交渉というより脅しですが、この時点で三つの部族すべてに同じことをしていました。森のデクの樹サマには呪いをかけ、山のゴロン族には食料源である洞窟を塞ぎ、水辺のジャブジャブ様の腹には魔物を放っています。つまり物語が始まった時点で、三つの地域はすでに壊されているわけです。

3. 森の守護神が枯れ、少年が森を出る
三つの石を狙う動きを受けて、まず被害が出たのが森でした。

おれだけ妖精がいないし、ずっと浮いてたんだよな。
森の主が呼んでるって言うし、行ってくるか。
リンクはコキリの森で育った少年です。コキリ族は生まれつき妖精を連れているのですが、リンクだけがいませんでした。デクの樹サマは呪いを受けており、体内の魔物を倒してほしいとリンクを呼びます。
これは例えば、「病気の原因になっている虫を、体の中に入って直接取り除いてくれ」と頼まれるようなものです。

おい、妖精もいないやつが呼ばれるわけないだろ

呼ばれたんだって。通していいから
門番役の少年に絡まれるところから始まるのですが、この時点ではリンク本人も、自分が森の子ではないことをまだ知りません。

よく来たな、リンクよ。
わしの体の中に、魔物が入り込んでしまった。
中へ入って、あれを倒してきてはくれぬか。

それと、お前に伝えておかねばならぬことがある。
お前は……本当は、この森の子ではないのだ。
体内の魔物を倒しても呪いは手遅れで、デクの樹サマは枯れてしまいます。リンクは最初の石「コキリのヒスイ」を託され、ハイラル城へ向かえと言われます。そしてここで、自分がコキリ族ではないと知らされることになります。
物語の約10年前に王国を巻き込む内乱があり、逃げてきた母親が赤ん坊のリンクをデクの樹サマに託して亡くなっていました。デクの樹サマはそれを承知でリンクを森の子として受け入れていたことになります。
4. 姫が城で味方を集める
森を出た少年が、次に会ったのが城の姫でした。

あの砂漠の王、父上には忠誠を誓ってるけど、絶対に嘘だからな。
だから、あいつより先に三つの石をそろえてほしいんだよ。
ゼルダはガノンドロフの狙いを見抜いていましたが、ハイラル王は取り合いませんでした。そこで、王を動かす代わりに、リンクへ直接依頼する形をとります。
これは例えば、「上司が全然信じてくれないので、現場の人間だけで先に手を打っておく」という動き方です。

姫、その子はまだ子どもですよ

わかってる。でも他にいないんだよ
城の中で完結せず、外から来た子どもに頼るあたりに、王家の側が追い込まれていた事情が出ています。
聖地の扉を開く条件は「三つの精霊石+時のオカリナ」。オカリナは王家に伝わる笛で、この時点ではゼルダが持っています。
ハイラル王家に代々伝わる笛。三つの精霊石とあわせて、聖地の扉を開くもう一つの鍵になります。決まった曲を吹くことで、さまざまな仕掛けを動かすこともできます。
5. 山と水辺の部族を助けて、残りの石をそろえる
姫の依頼を受けた上で、少年は残り二つの石を持つ部族のところへ向かいます。

うちは岩を食って生きてるんだが、その岩がある洞窟を塞がれちまってな。
このままだと全員飢え死にだ。開けてくれるなら、宝の石だって出すぞ。
ゴロン族は岩を主食にする山の部族です。食料庫にあたる洞窟を塞がれ、飢えていました。リンクは洞窟を開き、奥にいた魔物を倒します。族長ダルニアはリンクを兄弟と呼び、「ゴロンのルビー」を渡してくれます。
これは例えば、「町の食料倉庫の入り口を全部ふさがれた」ようなものです。戦って勝ったというより、兵糧攻めを解いた、というのがこの節の実態です。

ちょっと、誰よあんた。

精霊石ください。

これを渡すと婚約を約束することになるんだが?
水辺のゾーラ族では、守護神の腹の中に入って姫を助け出すことになります。助けられた側の態度がなかなかですが、ここで渡される「ゾーラのサファイア」は、ゾーラ族にとって婚約の証でもあるものでした。
これでコキリのヒスイ、ゴロンのルビー、ゾーラのサファイアの三つがそろいました。サファイアの意味づけは、大人時代になってから効いてきます。

6. 剣を抜いた代償に、七年の眠りにつく
三つそろえた上で、少年は姫のところへ石を届けに戻ります。

石は三つそろったな。あとはこれを姫のところへ持っていけば、
あいつより先に扉を開ける準備が整うはずだ。
ところが城へ戻ると、すでにガノンドロフが反乱を起こしていて、ゼルダは城を追われた後でした。逃走中のゼルダは、扉を開けるもう一つの鍵である時のオカリナを堀へ投げ、リンクに託します。つまりリンクが笛を手にするのは、三つの石をそろえた後、この逃走の場面です。これで鍵が四つそろい、リンクは時の神殿で扉を開け、奥に納められていた剣を抜きました。
これは例えば、「金庫を守るために、先に自分が開けて中身を確保しようとしたら、扉を開けた瞬間に自分が動けなくなった」ような展開です。

助かったな。おれは扉が開くのを待ってただけだ

まじか。
先回りしたつもりが、結果として扉を開ける役をやらされていた、という形になります。
リンクはまだ子どもで勇者の器が育っておらず、剣を抜いた瞬間に精神が光の神殿へ封じられ、体が育つまでの七年間眠ることになります。その隙にガノンドロフは聖地へ入り、「力」を手にしました。
時の神殿の奥に納められていた剣。魔を退ける力を持ちますが、抜くには勇者としての器が要ります。器が育っていない者が抜くと、育つまでのあいだ時間を止められてしまいます。
ここが物語の折り返しです。以降は時のオカリナの力で、少年時代と大人時代を行き来できるようになります。
7. 勇者不在の七年で、王国が作り変えられる
勇者が眠っている状態を踏まえて、王国側がどうなったかを見ます。

邪魔者は寝てるし、力も手に入った。
なら、この国はもう全部おれのものだ。城ごと作り変えるぞ。
ハイラル城はガノン城に作り変えられ、城下町は廃墟になり、各地の神殿も魔物に押さえられました。ただしガノンドロフが手にしたのは、力を三つに分けたうちの一つだけでした。
これは例えば、「三人で分けて持つ約束の合鍵のうち、一本しか手に入らなかった」ような状態です。残り二つは、姫と少年のところへそれぞれ渡っていました。

城下町、もう住めたもんじゃないぞ

外は昼でも魔物が出るからな
七年というのは、赤ん坊が小学校に上がるくらいの長さです。国が一度作り変わるには十分な時間でした。

8. 封印をやり直すため、六人を起こして回る
王国が作り変えられた状態で、七年後に目を覚ましたところから後半が始まります。

あいつを力ずくで倒すのは無理だ。だから、封じ込める側の人間を先に起こして回れ。
六人そろえば、あいつを閉じ込める準備ができる。
封印には六人の賢者が要ります。賢者は生まれつき決まっているわけではなく、各地の神殿で自分の役目を思い出すことで目覚めます。リンクはシークの導きで神殿を回ることになります。
魔王を封じ込める役目を持つ六人。生まれつき決まっているわけではなく、各地の神殿で自分の役目を思い出したときに目覚めます。この記事では「封じ込める側の人間」と呼びます。
これは例えば、「六人分の署名がそろわないと発効しない書類を、一人ずつ回って集める」ような作業です。倒すための旅ではなく、封じるための手続きの旅だ、というのがこの後半の性格です。

待たせたな兄弟。今度はこっちが助ける番だ

あの約束、まだ有効だからな
少年時代に助けた相手が、そのまま賢者として戻ってくる構造になっています。水辺の姫が持ち出してくるのは、例のサファイアの話です。
目覚める賢者と神殿の対応は次のとおりです。
- 森の神殿 → サリア(森)
- 炎の神殿 → ダルニア(炎)
- 水の神殿 → ルト(水)
- 闇の神殿 → インパ(闇)
- 魂の神殿 → ナボール(魂)
光の賢者ラウルは、リンクが目を覚ました時点ですでに役目についています。また魂の神殿は少年時代と大人時代を行き来しながら進む構造で、ナボールは操られており、それを解いて目覚めさせることになります。
9. 導き手の正体が明かされ、最後の戦いになる
六人そろったところで、ここまで導いてきた相手が正体を明かします。

もう隠さなくていいな。七年間ずっとお前を見てたのは、この私だ。
残りの一つは私が持ってる。だから、あいつはまだ完全じゃない。
シークの正体はゼルダ姫でした。七年のあいだ姿を変えて隠れていたのです。しかし正体を明かした直後、ゼルダはガノンドロフに捕らえられてしまいます。
これは例えば、「最後の一本の合鍵が、わざわざ本人ごと相手に届いてしまった」ような状況です。

いい話だ。そいつはもらっていく

つかまっちゃったわ。
正体を明かした瞬間に捕まる、というのはなかなかの間の悪さですが、結果としてこれが最終決戦の舞台を用意することになります。
リンクは光の矢を手にガノン城へ突入し、六賢者の力で張られた六つの結界を解除しながら最上階へ進みます。ガノンドロフとの戦いに勝ちますが、崩れる城の中でガノンドロフは巨大な怪物「ガノン」へ変貌します。最後はマスターソードでとどめを刺し、七賢者の封印で次元の狭間へ送られました。
結局どうなったのか
ガノンドロフの当初の狙いは「願いを叶える力を丸ごと手に入れて王になること」でした。実際に手に入ったのは三つに分かれたうちの一つだけで、残る二つは姫と少年に渡っていました。七年かけて国を作り変えたものの、最後は自分が狙っていた封印の仕組みによって封じられます。狙いと結果のギャップは、かなり大きいと言えます。
一方でゼルダは、時のオカリナの力で、リンクを奪われた七年ごと少年時代へ戻します。勝った側も無傷ではありません。大人時代で結ばれた関係や、賢者として目覚めた仲間との七年間は「戻されて」しまいます。平和は取り戻されましたが、そこで積み上げたものは残らなかった、という側面があります。
以上、【N64・時のオカリナ】ゼルダの伝説 時のオカリナのストーリーをザックリ解説、でした。
用語対応表
- トライフォース → 三人の女神が残していった、願いを叶える力。本文では「願いを叶える力」
- 精霊石 → 聖地の扉を開く鍵になる三つの石。本文では「鍵になる三つの石」
- 時のオカリナ → 王家に伝わる笛。扉を開くもう一つの鍵
- マスターソード → 時の神殿の奥に納められていた剣。抜くには勇者の器が要る
- 賢者 → 魔王を封じ込める役目を持つ六人。本文では「封じ込める側の人間」
- シーカー族 → 代々ハイラル王家に仕えてきた影の一族。インパがその生き残り
- 聖地 → 願いを叶える力が置かれている場所。本文では「扉の奥」

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