- 2023年11月に、AI(人工知能)系の資格として知られる「G検定」に合格しました!
■合否結果
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【 合 格 】
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総受験者数 5,330名
合格者数 3,662名■シラバス分野別得点率(小数点以下切り捨て)
1.人工知能とは. 人工知能をめぐる動向. 人工知能分野の問題:73%
2.機械学習の具体的手法:83%
3.ディープラーニングの概要:75%
4.ディープラーニングの手法:80%
5.ディープラーニングの社会実装に向けて:78%
6.数理・統計:84%
7.法律・倫理・社会問題:68%
その時の合格に向けたスケジュール、勉強方法、そして2023年11月の出題範囲について紹介します。
G検定とは?
「G検定」とは、日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施する「ジェネラリスト検定」の略称です。この検定は、AI(人工知能)やディープラーニングに関する基本的な知識や技術を習得しているかを認定するためのもので、特にディープラーニングの基礎理論、関連する技術、社会的な影響に焦点を当てています。
試験勉強について
試験情報の確認
日本ディープラーニング協会(JDLA)のホームページで確認します。
出題方式
4つの選択肢の問題で構成され、Web上で実施されます。
出題範囲
ホームページに公表されているシラバスから確認できます。
勉強時間について
試験があったのは11月11日で、勉強のため公式テキストを購入したのは40日前の9月30日でした。1日の勉強時間は大体1〜2時間だったので、総合勉強はおおよそ60時間程度でした。
基本は参考書を読む(インプット)と問題を解く(アウトプット)の繰り返し作業になります。公式テキストをざっと読むのに30時間、その後問題を解くのには30時間くらいです。
ただし、資格勉強を始める前から、AIに関する参考書は読んでいました。読んでいたのは下記の3冊ですが、出題範囲としては7章のうち1.5章分相当かと思われます。
勉強前に読んでいた本
- 高校数学でわかるディープラーニングのしくみ
最初に読んだディープラーニングの本でした。ニューラルネットワークの仕組みについて、順序よく丁寧に説明されていたので、これだけで大枠は理解できました。入門書としてG検定の勉強前に読んでもいいと思います。
- ゼロから作るDeep Learning ―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装
pythonのコードをベースにニューラルネットワークを知ることができる。さらに精度を上げるための工夫(モーメンタム等)や関数の種類について、変化の違いをグラフで示してくれるのでイメージしやすかった。G検定の勉強としては、詳細な内容であるため、読む必要は無いと思います。
- [第3版]Python機械学習プログラミング 達人データサイエンティストによる理論と実践
ニューラルネットワークに限らず機械学習の基礎について網羅されているので、これ1冊で機械学習の基礎勉強は十分とも言える。ただし、文面が教科書チックであり、個人的には読むのが大変であった。1周してもあまり理解できなかったので、jupyter notebookのコードもしっかり理解しないといけないかもしれない。G検定の勉強としては不向きである。
トータル費用について
私の場合は受験料と参考書で、総額15,972円かかりました。
- 受験料 13,200円
- 公式テキスト 2,772円
参考書について
公式テキスト(第2版)を中心に学習しました。
テキストを読んでいて、理解が薄い部分は、ネットで調べました。下記のサイトは用語別に解説しているのでおすすめです。
公式HPによると、出題範囲は「シラバスより出題」となっています。2023年時点では、シラバスの最終更新は2021年となっており、公式テキストはシラバスの内容を網羅していることになっています。しかし、実際の試験ではシラバスに記載されていない用語も結構ありました。(AI原則実践のためのガバナンス・ガイドライン、society 5.0とか・・)
chatGPTの活用について
各ニューラルネットワークの違いとかはchat-GPTを用いて整理できます。カンペもこれで作れます。
質問の例
あなたは人工知能の専門家です。今から#以降に記載する各人工知能について、それぞれの性能の違いを整理して下さい。各人工知能のILSVRCにおける成績、層の構造、層数、特徴的な構造名も項目ごとに列挙して下さい。#AlexNet#Googlenet#VGGNet#ResNet#DeepLab
- AlexNet:
- ILSVRC成績: 2012年優勝(Top-5エラー率15.3%)
- 層の構造: 畳み込み層、プーリング層、完全結合層
- 層数: 8層(5つの畳み込み層、3つの完全結合層)
- 特徴的な構造: ReLU活性化関数、オーバーラッピングプーリング、ドロップアウト、データ拡張
- GoogLeNet (Inception v1):
- ILSVRC成績: 2014年優勝(Top-5エラー率6.7%)
- 層の構造: 畳み込み層、プーリング層、完全結合層、Inceptionモジュール
- 層数: 22層
- 特徴的な構造: Inceptionモジュール、1×1畳み込み層
- VGGNet (VGG-16):
- ILSVRC成績: 2014年2位(Top-5エラー率7.3%)
- 層の構造: 畳み込み層、プーリング層、完全結合層
- 層数: 16層
- 特徴的な構造: 均一な畳み込みカーネル(3×3)、層の深化
- ResNet:
- ILSVRC成績: 2015年優勝(Top-5エラー率3.57%)
- 層の構造: 畳み込み層、プーリング層、完全結合層、残差ブロック
- 層数: バリエーションによる(例:ResNet-50は50層)
- 特徴的な構造: 残差ブロック、スキップ接続
- DeepLab:
- ILSVRC成績: N/A(主にセマンティックセグメンテーション用)
- 層の構造: 畳み込み層、Atrous畳み込み、完全結合層
- 層数: バリエーションによる
- 特徴的な構造: Atrous畳み込み、CRF(条件付きランダムフィールド)
問題集、模擬試験について
無料で公開されている模擬試験を活用するだけで充分でした。
- Study-AIの模擬テスト
アカウント登録が必要ですが、テキストのおさらいが可能です。また、新シラバス対応版は、公式テキストではカバーできない部分も勉強できます。
- SB Creative これで完璧 ディープラーニングG検定(ジェネラリスト)最強の「合格」問題集
初版が2023年2月7日に出版された問題集の付録で、問題と解説がpdfデータでダウンロード可能です。著作権法についてはこちらで理解が深まりました。
試験本番について
出題内容について
評判を聞いていると、「公式テキストだけ読んでいても網羅できない」という意見がよく見られました。実際にはそのとおりでしたが、聞いたことが無いような用語が出てくる問題は数問程度であり、ほとんどの問題は公式テキストの範囲で対応できるような内容でした。
191問中、3問以上で関係していた用語はこちら
ReLU 関数、ファインチューニング、chatgpt、tanh関数、確率的勾配降下法(SGD)、LSTM、SHAP、偽陽性-偽陰性、GLUE 、PSPNet、サンプリング・バイアス、オートエンコーダ、フォルマント周波数、モーメンタム、ソフトマックス関数、ResNet、DCGAN、蒸留、著作権法、個人情報保護法、AI・データの利用に関する契約ガイドライン、Attention、αβ 法
chatGPTは1~4のそれぞれの層数をだいたい覚えておくと良いです。
カンニングについて
カンニングは禁止行為とされています。しかし、試験はWebで行われるので、カンニング自体は可能です。おすすめはモニターを2つ用意するデュアルディスプレイ方式です。片方は試験画面、もう片方はchatGPT、もしくは検索エンジンを表示するのがおすすめです。
chatGPTによるカンニングについて
120分の制限時間のうち、67回の質問を投げることができました。試験中は、各問題に星マークをつけることができます。
本番時のchatGPTの利用方法(例)
- 保留した問題に星マークをつけて、chatGPTに質問しておく
- 次の問題を解く
- 解き終わったらchatGPTの出力結果を確認し、答えが返って来ていたら、戻って回答し、星マークを解除する
試験の総評
勉強を通じて、昨今の人工知能の知見を深めたかったので、概ね満足な結果でした。他の方の合格体験記には、「落ちたと思ったけど受かっていた」という意見が数件あったので、カンニングしなくても合格していたのかなという成績でした。
公式テキストだけでは、法律・倫理・社会問題がカバーしきれなかったので、非公式の問題集も解いておいた方がいいと思います。
合格者の特典?
合格者コミュニティCDLE
G検定に合格すると、CDLEというコミュニティに参加できるようになります。「CDL
【1】 Slack(無料/全員招待)
招待URLは、合格通知のメールに記載されています。
【2】 合格者コミュニティサイトβ版
メンバー間の交流・ネットワーキング、イベントやプロジェクト活動を目的としているそうです。
会員費は、JDLAのトップページ参照とされていますが、探しても見つかりませんでした。合格通知のメールには、(月額55円・税込/申込制)と記載されています。
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