ウミウシくん。ベーシックインカムって知ってる?
ああ。たしか、国民全員にお金を配るっていう制度だよね。
そうそう。元々は人々を貧困から救うために考えられたみたいだね。
そうなんだ。でも、それなら貧しい人だけに配れば良くない?
そうはうまくいかないんだ。「福祉の罠」っていうのがあるからね。
概要
貧乏から抜け出せなくなる「福祉の罠」とは
あなたが仕事を辞めたり、クビになった場合、生活保護や失業手当で政府から援助を受けることができます。そして、また新しい仕事を探して、給料をもらえるようになったとしましょう。ここには落とし穴があります。収入が一定を超えると、政府からの援助が貰えなくなりますが、今まで援助されていた額よりも稼げていないという状況が発生します。さらに、仕事に行くと、交通費、子供を施設に預ける費用が発生します。どういうわけか、無職だったときより少ないお金しか手にできません。このやる気をなくさせる状態は「福祉の罠」と呼ばれています。福祉の罠は、世界中の数百万の人々に影響を及ぼしています。
貧困を救うための「福祉」なのに・・・
貧乏でも食べ物や教育を得られるようにするために福祉は存在しています。しかし皮肉な事に「福祉の罠」はまさに貧困と闘うための政策から生まれてしまいました。通常、援助が受けられるかどうかの基準は、収入により判断されます。つまり、ある一定の収入水準を下回る人だけが恩恵にあずかれるわけですが、これと同様に、一定水準より稼いだとたんに援助がなくなることを意味しています。安定して基準値を上回るかどうかは考慮されません。
働く気になれない→より貧しい国へ
人間とは合理的に動く生き物です。働いても利益を得られない状態になるくらいなら、政府の援助が得られる状態にいた方がましだと考えるでしょう(もちろん、社会規範や個人的価値という理由で働く人もいるけど・・・)。新たな職に就く人が少ないと経済は停滞していき、貧困状態の人はより貧困になっていきます。
どうすればこの悪循環を断ち切れるか?
いっそのこと、政府の援助制度を全て廃止してしまえばいいんじゃないか?と考える人もいましたが、さすがに現実的、人道的でないでしょう。 多くの国では この問題を回避するためにいろいろな取り組みを行ってきましたが、現状のとおり、どの国でも貧困問題は解決できていません。
- 仕事が見つかった後も ある一定期間給付金の受給ができるようにする。
- 収入の増加に従って給付金を減らす。
- 教育費、保育費、医療費といった給付金をすべての市民に平等に給付する。
全員にお金を配れば良くないか?
そこで18世紀、イギリス人社会思想家トマス・ペインによって提唱されたのがベーシックインカムです。ベーシックインカムは過去の社会保障とは異なり、失業していなくても、生活に困っていなくても、無条件で全国民に一律の現金を給付する制度です。「お金を稼げるようになったから、政府の援助はもう必要ないね」ではなく、政府の援助金に労働の成果が上乗せされるようなイメージです。安定した収入の下限を設けることで、人が貧困に陥ることがなくなるのではないでしょうか。
国規模でのベーシックインカムの実例は無い
しかし、今のところベーシックインカムを実施している国はありません(小規模の地区で試されたことはあります)。実際、配るためのお金を国が用意できるのか、という問題もあります。また、政府の援助金に労働の成果が上乗せされると言っても、「最低限のお金さえあればいい」という考えの人は働かなくなるという意見もあります。どうであれ、「福祉の罠」を解決するためには人々の主体性や自主性を尊重することが重要です。個々人にモチベーション与えることが、貧困の循環を断ち切るきっかけとなります。
まとめ
- 貧者の所得が増えても、それまでもらえてた政府の援助が打ち切られたりして、結局は貧困から抜け出せないという状況がある(福祉の罠)。
- 福祉の罠のせいで、仕事の生産性が下がり、国全体がより貧困になる(悪循環)。
- 国民全員にお金を配れば、生産性を下げずに貧困を解決できるかもしれない(ベーシックインカム)。
海外のコメント
このテーマについてもっと知りたければ、「貧乏人の経済学」という本を強くお勧めします。
I highly recommend the book “Poor economics” if you want to know more about this subject, it’s a great analysis with a humane look
貧しいシングルマザーの母は、いつも「生活保護は役に立つ」と言っていましたが、勤めていたヘアサロンで昇給するたびに、生活保護が引き下げられました。そのおかげで自立できたと思うのですが、ある時、これまで以上に貧しくなるので、同じ場所に居続けるために予定されていた昇給を拒否するようになりました。
My mother who was poor single mother, always said that welfare helped but whenever she got a raise in the hair salon she worked at, they lowered her welfare. Which did give her more independence I suppose but it kept her in the same spot and at a point, she just refused scheduled raises as it would get her welfare taken and make her poorer than ever
これは心に響きました…私は、もう援助が必要なくなると興奮したのを覚えています。請求書の支払いを終えるまでは。その後、私は興奮しなくなりました。数ヶ月間、白米と味塩だけで生活していました。少ない食料で働くうちに体重が減り、毎週弱っていきました。私の仕事はより困難になった。食料品店で働いていましたが、食べ物を盗むほど空腹になり、自暴自棄になった日のことを正確に覚えています。働いていた肉売り場では、一日おきに何百ポンドもの肉を捨てていました。日付が近いが全く問題はずなのに。サンクスギビングの週、こんな日にも白米を食べることになる、ということしか頭になかった。私はもう我慢できなかった。、飢えを凌ぐため、ステーキを2枚腹に入れ、そのまま車まで歩いて行ってトランクに入れました(冬でした)。 今でも後悔はしていません。腹ペコだったんだ。先代の皆さん、素晴らしい場所を残してくれてありがとうございました👍バンザイです。
This hit home…I remember being excited when I wouldn’t need assistance anymore. Until I finished paying bills. Then I wasn’t excited. Lived on white rice and salt for flavor for months. As I worked on very little food I lost weight and seemed to be weaker every week. My job got more difficult. I worked at a grocery store. I remember the exact day that I became hungry enough and desperate enough to steal food. I worked in the meat department and we threw away hundreds of pounds of meat every other day. Things that were close to date but perfectly fine. It was the week of Thanksgiving and we were getting our asses kicked. All I could think about was I was going to be eating white rice for Thanksgiving. I couldn’t take it anymore. I went to the throwaway cart, put a couple steaks under my beltline and punched for break. I walked straight to my car an put them in the trunk. (It was winter) To this day I don’t regret it. I was starving. Thank you past generations for the great place you left us 👍 Bang up job.
カナダでは、生活保護を受けている人が仕事に就くと、収入に応じた割合で給付金が引き落とされます。例えば、収入が500ドル増えたら、手当が100ドル減るかもしれません。このように、仕事がないよりはあった方がいいし、賃金が上がるのは常に有利なのです。薬代が無料になるなどの福祉手当も、福祉手当が0になり、この援助が必要なくなる時点まで利用できます。
In Canada, when a person on welfare gets a job, their benefits are clawed back as a percentage of their income. A $500 increase in your income might result in a $100 decrease in your benefits, for example. This way, having a job is always better than not having one, and an increase in wages is always advantageous. Welfare benefits like free medication are also available until you reach a point where your welfare benefits reach 0, and you no longer need this help.
また、自分の考え方やマインドセットに大きな影響を与えるため、そこから逃れることは困難です。文字通り、脳の働きが変わってしまうのです。不自由です。
It’s also hard to escape it because it drastically affects one’s mindset and way of thinking. It literally changes the way one’s brain works. It’s crippling.
一つ言っておきたいことがあります。貧困は、栄養価の高い食べ物を手に入れることができないことを意味します。栄養価の高い食品は、精神力を高め、集中力を持続させることができます。頭痛に悩まされ、貧困からの脱却を考えることができない人たちを見たことがあります。
One thing I wish to mention: Poverty makes sure you don’t have access to nutritious food. Food that would ensure you have a good mental capacity, longer focus periods. I have seen people struggling with headaches and problems, which renders them unable to think about getting out of poverty.
アニメーションは見事です。音無しで見ても、メッセージが伝わる気がします。
The animation is brilliant. I feel like I could watch this with no sound and still get the message.
貧困という複雑な問題に対し、「Pull yourself up by your bootstraps」というありきたりな答えを出している人にぴったりのビデオです。貧困に対するあまりにも単純な答えとしてこのフレーズを使う人は、貧困の問題を真剣に考えていないことが分かります。
This is the perfect video for those whose answer to the complex problem of poverty is summarized in the often used phrase “pull yourself up by your bootstraps”. You know a person has not contemplated the problem of poverty seriously if they use this phrase as an overly simplistic answer to poverty.
貧困を脱したとしても、それは例外中の例外です。規律と知性、そして運が必要なのです。システムはあなたが成功するように設計されていません。あなたが貧しいまま、上級国民のために仕事をし続けなければならないように設計されています。
If you escape poverty you are the exception to the rule. It takes discipline, intelligence, and a whole lot of luck. The system isn’t designed for you to be successful, it’s designed to keep you poor so you have to keep your job working for the owner class.
私は高校と大学の時にマクドナルドで働きました。いつもいつも、これ以上勤務時間を増やせないと言う同僚がいました。それは、福利厚生が台無しになるからです(減給はすぐに響きますが、増給は6ヶ月かかる場合があるので、1回でも給与が多いと大きな打撃を与えることになります)。しかしこのような人たちは、とにかくよく働き退勤時間を記録し、賃金の代わりに食料を持ち帰るのです。時には、仕事が心配だからと、ボーナスの食料を持たずに退勤し、仕事を続けることもありました。私は、給付金をもらっている人は怠け者だと言う人へ、いつもこの話をしている。彼らは働いていて、しかも給料以上の働きをしていたのです。
I worked at mcdonalds in high school and college. I always, always had coworkers who would say they could not take any more hours because it would screw up their benefits (and while a reduction can hit immediately, an increase in benefits might take 6 months, so one anomalous paycheck could hit them particularly hard). BUT, these people frequently worked anyway, clocking out and taking home food in lieu of wages. Usually. Sometimes they just clocked out and kept working without the bonus food because they were worried about their job. I always had this story in rebuttal to anyone who said people on benefits were lazy. They were working, and working more than they were paid for.
また、生活保護制度の破綻の一因として、障害者の結婚による受給資格喪失が挙げられる。多くの障害者は、愛する人と結婚することができません。結婚することで受給資格を失ってしまうからです。 このような問題は、UBI(ユニバーサル・ベーシック・インカム)だけでは解決できません。
Another contributing factor in welfare program failure is the loss of benefits through marriage, particularly for disabled people. Many disabled people cannot marry their loved ones because to do so would disqualify them from benefits. These sorts of issues cannot be solved with UBI alone.
だから従業員の福利厚生ももっと必要なんだ。
That’s why we need more employee benefits too.
一朝一夕に経済的に成功する人はいない。彼らは背景となる仕事をしているが、私たちは完成された部分しか見ていない傾向がある。恐怖心は危険な要素であり、目標に到達するために必要な大胆なステップを踏むことを妨げる。私は数ヶ月で28万9千ドルもポートフォリオを増やすことができました。あなたは、適切な場所で助けを求める必要があります。
Nobody can become financially successful overnight. They put in background work but we tend to see the finished part. Fear is a dangerous component, hindering us from taking bold steps we need in other to reach our goals. you have to contend with inflation, recession, decisions from the Feds and all. I was able to increase my portfolio by $289k in months. You have to seek for help in the right places.
美術とアニメーションがとても良い!真面目な話を楽しくしてくれる。
The art and animation is so good ! It develops both a serious scenario but in a fun way.
ほとんどの企業は、訴訟を恐れて、食品の廃棄に関して非常に厳しいポリシーを持っています。ブラジルのいくつかの場所では、パン屋、市場、レストランが訴えられることを恐れずにホームレスのために良い残飯を寄付できるように、不正行為に関与しない限りビジネスを訴訟から保護する法律が可決されつつあります…
@Igor Souza Most probably not: most business often have very strict policies regarding discarding foods due to fear of litigation. Some places in Brazil arre just now passing laws that shield business from litigation unless foul play is involved, so that bakeries, markets and restaurants can donate good leftover foods for homeless people without the fear of being sued…
日本でもベーシックインカム導入がくるのか、楽しみだね。